この記事では、ロードバイクのTSSの意味と計算方法、トレーニングへの活用法について紹介しています。
「Zwiftやガーミンに出てくるTSSってどう見ればいい?」
「1週間のTSS目安が知りたい」
こんなふうに思っていませんか?
TSS(Training Stress Score)は、ライドの「キツさ=身体への負荷」を数値化した指標で、効率的なトレーニングを組む上で欠かせない指標です。とはいえ計算式や目安を知らないと、せっかくのデータも宝の持ち腐れになっちゃうんですよね。
そこで今回はTSSの計算方法と疲労回復・週間トレーニングの目安、CTLやATLとの関係を解説していきます。
ZwiftやTrainingPeaksユーザーは特に必見の内容ですよ。
TSSとは

ここでは、TSSの定義と何を表す指標なのかについて解説します。
TSSは「Training Stress Score(トレーニング・ストレス・スコア)」の略で、ライドの強度と時間を組み合わせて1つの数値で表した指標です。Andrew Coggan博士が提唱しました。
TSS=100の基準
TSSの基準値は「FTPで1時間走った時のTSS=100」と定義されています。
つまりTSS100は、人によって絶対的なパワー値が違っても「同じくらいキツい1時間」を意味します。これによって体力や能力の異なるサイクリスト同士でも、負荷を共通の物差しで比較できるんですよね。
TSSが見える主なサービス
TSSは主に以下のサービスで確認できます。
- TrainingPeaks(オリジナル)
- Zwift・Zwift Companion
- Garmin Connect(類似指標:トレーニング負荷)
- WKO5
- intervals.icu(無料)
TSSの計算方法
ここでは、TSSの具体的な計算式とその意味について解説します。
公式の計算式
TSSの正式な計算式は以下の通りです。
TSS = (秒数 × NP × IF)÷(FTP × 3600)× 100
用語の意味は次のとおりです。
| NP(標準化パワー) | 変動を考慮した平均パワー |
|---|---|
| IF(強度係数) | NP÷FTP(強度比) |
| FTP | 1時間維持可能な最大パワー |
| 秒数 | ライド時間(秒) |
簡易計算式
もっとシンプルに表すと以下のようになります。
TSS = 時間(h) × IF² × 100
たとえばIF=0.8で2時間走ったら、TSS = 2×0.8²×100 = 128になります。強度(IF)が2乗で効いてくるのがポイントで、強度を上げると一気にTSSが膨らみますよ。
具体的な計算例
いくつかパターンを示します。
| ライド内容 | 時間 | IF | TSS |
|---|---|---|---|
| L2エンデュランス | 2h | 0.65 | 約85 |
| SSTメイン | 1.5h | 0.85 | 約108 |
| FTPテスト(20分) | 1h | 0.95 | 約90 |
| レース(クリテリウム) | 1h | 0.95 | 約90 |
| 200kmロングライド | 7h | 0.70 | 約343 |
TSSの目安と疲労度
ここでは、TSSの数値ごとの疲労度と回復目安について解説します。
TSSは数値が大きいほど身体への負荷が高くなり、回復にも時間がかかります。回復の目安は1日あたりのTSSが目安になりますよ。
1ライドあたりのTSS目安
| TSS | 強度 | 回復目安 |
|---|---|---|
| 〜150 | 低強度 | 翌日には回復 |
| 150〜300 | 中強度 | 2日後に回復 |
| 300〜450 | 高強度 | 2日以上必要 |
| 450以上 | 超高強度 | 数日かかる |
1日でTSS300超のライドをした翌日は、L2の軽い回復走か完全休養を入れるのが鉄則ですよ。
週間TSS目安
レベル別の週間TSS目安は以下の通りです。
- 初心者:週300〜400
- ホビーレーサー:週500〜700
- エリートホビー:週800〜1000
- プロ:週1200〜1500
いきなり高い数値を狙わず、前週比10〜15%増を上限に徐々に増やすのが故障を防ぐコツです。
CTL・ATL・TSBとの関係
ここでは、TSSから派生する重要指標CTL・ATL・TSBの意味について解説します。
TSSを日々積み上げると、フィットネスとフレッシュネスを表す3つの派生指標が見えてきます。
CTL(フィットネス)
CTLはChronic Training Loadの略で、過去42日間のTSS加重平均です。
「長期的な体力=フィットネス」を表していて、CTLが高いほど身体が積み上げた力があるイメージですね。
ATL(疲労)
ATLはAcute Training Loadの略で、過去7日間のTSS加重平均です。
「直近の疲労蓄積度」を表します。ATLが急上昇しているときは、回復を意識して強度を落とす判断材料になりますよ。
TSB(フレッシュネス)
TSBはTraining Stress Balanceで、CTL−ATLで計算されます。
マイナスなら疲労が蓄積している状態、プラスなら体が休んで「フレッシュ」な状態。レース当日はTSB+5〜+15が好調域とされていますよ。
TSSをトレーニングに活用するコツ
ここでは、TSSを単なる数値で終わらせない実践的な活用法について解説します。
前週比+10%を上限に増やす
急にトレーニング量を増やすと故障やオーバートレーニングの原因になります。
前週のTSSから10%以上は増やさないを守るだけで、安全にフィットネスを積み上げられますよ。
3週増→1週レスト
3週間連続でTSSを積み上げたら、4週目はTSSを20〜30%カットする「回復週」を設けるのが王道です。
このメリハリで超回復が起こり、CTLがガッと伸びる週がやってきます。
FTPは2〜3ヶ月ごとに更新する
TSSはFTPを基準に計算されるので、FTPが古いままだとTSSが過大に出てしまうのが落とし穴です。
2〜3ヶ月ごとにFTPを再測定して、最新値で運用しましょう。
よくある質問
- パワーメーターがなくてもTSSはわかる?
-
心拍ベースの「hrTSS」やGPSスピードベースの「rTSS」「sTSS」が代用として使えます。ただしパワーベースのTSSと比べて精度はやや落ちます。intervals.icuなどは無料でhrTSSを計算してくれますよ。
- TSSが高いほど強くなる?
-
必ずしも比例しません。TSSの中身(強度と時間のバランス)が重要で、ただ低強度で長時間乗ってTSSを稼ぐだけでは閾値パワーは伸びにくいです。質と量の両立が大事ですよ。
- TSS700の呪いって聞いたけど何?
-
1日のTSSが700を超えると体への負担が極端に大きく、回復に1週間以上かかる場合があるという経験則です。ブルベやロングライドで意図的にTSSを稼ぐとき以外は700超えを避けるのが無難です。
- レース当日のTSBはどれくらいがベスト?
-
+5〜+15が好調域とされています。マイナスは疲労過多、+25以上は逆にトレーニング不足でレースの強度に身体が対応できない可能性が出てきます。テーパリング期間で調整しましょう。
まとめ
今回はロードバイクのTSSについて解説しました。
TSSを活用するポイントは以下の3つです。
- FTPで1時間=TSS100が基準
- 週間TSSは前週比+10%を上限に増やす
- CTL/ATL/TSBで疲労とコンディションを管理する
TSSは「感覚」を「数値」に置き換えてくれる強力な指標です。
ぜひ日々のライドに活用して、効率よく強くなる楽しさを実感してくださいね。
